おいしい台所

ほどほど家事で、おいしい暮らしを。きょうも台所にいます。

家のごはんの温かい記憶~「これでいいのだ!瀬尾ごはん 」

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『これでいいのだ!瀬尾ごはん 台所まわりの哲学』( 瀬尾幸子著、ちくま新書)

 

Amazonより--------------------

生きる力を取り戻すために、初心者にも手におえる、ご飯術を身に着けよう。手間の少ない「焼くだけ」「煮るだけ」料理、素材の選び方、保存のコツ、冷蔵庫活用術、買い物の極意…作るにしても、食べるにしても、がんばらなくてよし。「家のご飯は、これでいいのだ」の精神で、失敗を恐れず、果敢に台所に立とう!
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なんというか、気持ちが楽になりました。
台所という場所も、そこに立つのも大好きですが、日々のご飯作りにはどうしても「急いで」「家族の喜ぶものを」「バランス良く」というプレッシャーがなんとなくあって、だからいつも「何作ろう」「何食べたい?」と献立を考えるのも気張っていた気がします。

考えてみれば私の記憶に残る実家の母のご飯はいつもご飯とお味噌汁と煮物。そこに焼き魚かお肉が加わるくらい。ハンバーグやから揚げやナポリタンも時にありましたが、そんな時が特別であって、子どもが好きなものばかり毎日続いていたわけではありませんでした。


朝ごはんだって自分でトーストを焼いて残り物のサラダなんかと食べたし、バターを塗ったトーストと、味噌汁との組み合わせが最高だったし、つまり日々のご飯は全然気張ったものではなかった。それでも私は母にしっかり食べさせてもらって大きくなったなと思っています。

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瀬尾幸子さんの本というと「ラクうまごはんのコツ」が有名です。料理レシピ本大賞を受賞されて、その後の続編含め本屋さんに平積みされていることが多いので、目にしたことがある方もいるかもしれません。私はこの本を読んでから「ラクうまごはんのコツ」を購入しましたが、本当にラクにおいしいごはんが出来るレシピばかりで、嬉しくなりました。

 

レシピ本て時に「こんな調味料持ってないよー」というようなものが材料にあったりしますよね。「家にあるものだけで、少ない食材で出来る簡単な料理のレシピ」って意外とない。「料理研究家」が作るレシピなんだから、その人独自のレシピになるのも、あんまり簡単なものが本にならないのもなんとなくわかりますが、普通の主婦としては日々の「普通のご飯」レシピを増やしたかった。だから瀬尾さんの本に出会えたことはラッキーだったと思います。

そしてこの本を読んだことで、この簡単レシピの背景に、瀬尾さんの「家のごはん」を大切に思う気持ちがあるのだと知り、私も今まで以上に普通の、お家のごはんを大切にしようと思うことができました。

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本文からの抜粋です。

 

-----それでも茶の間の食卓には、お母さんのご飯が並んでいました。それができたのは、昭和のお母さんが特別に偉いから?いいえ、違います。些細なご飯だったからです。気張って作る料理でなく、油揚げを焼いただけとか、キャベツを炒めただけとか、小松菜ゆでただけの「だけ」料理。ちゃちゃっと作れるような、名前もないようなおかずです。だから毎日続けられたし、家族のためにもそれがよかったのです。そんな料理を通して、家族の健康と心の管理ができたから。-----

 -----食べることについて、今はあまり考えなくても何でも買えます。おなかいっぱいになればいいやってやり過ごすこともできるんだけど、本当は体も心も食べ物でできている。心も、できている気がするんですよね-----


簡単だっていい。気取らなくていいから、自分の「家のごはん」を大切にする。食の根っこになる「家のごはん」以上に大切なものって、ほかにないのかもしれない。

 

当たり前だよね。だって人間は、日々食べるもので生きている。そして家のごはんの温かい記憶が、心を育てるんだから。


丁寧な暮らしとは、「食べる」を大切にすること。
やっぱり間違いなく、そうなんだなと思いました。

 

 

母は今日も明日も明後日も、気張らず私の家のごはんを作ります。

さあ明日は、何食べようかな。

 

 

これでいいのだ!瀬尾ごはん: 台所まわりの哲学 (ちくま新書)

 

 

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