おいしい台所

ほどほど家事で、おいしい暮らしを。きょうも台所にいます。

那須で感じた不思議な感覚

そうそう。那須の宿で、ちょっと不思議なことがありました。

2日目の朝食の時のことです。
朝食は宿の中にあるベーカリーカフェでパンを食べることにしていたのですが、私は温かいものが食べたくて、レジでホットサンドを頼みました。すると店員さん、忙しかったのか「10分程お時間かかりますよ」とちょっと嫌そうな感じで私に言いました。別に急いではいなかったので、「あ、いいですよ。お願いします」と言って席について待っていました。ところが、これが10分どころか30分経っても出てこない。夫も子ども達も食べ終えてしまって「かーちゃんのはまだ?」なんて聞いてきます。さすがにおかしいなと思い、店員さんを見ました。すると、ホールに居るメンバーが頼んだ時と別の方たちに変わっていました。


引き継ぎのタイミングだったのかも。忘れられたのかなとちょっとムッとして、「ずっと待ってるんですけど」と近くにいた店員さんに言いました。すると、「あと2~3分です。すみません」と言われ、更に5分程待ってようやく席にホットサンドがやってきました。と・こ・ろ・が。お皿に乗せられたホットサンドを見ると、全然焼けていないのです。焼いたというよりレンジで温めたような、まっ白なままの食パンに挟まれたぬるーいホットサンドでした。


さんざん待ってこれかとさすがに頭にきて、家族にも「ひどいよね!」とぷりぷり怒る私。取り替える程ではないにしても食べる気にもならなくなって、なんとか怒りを伝えようと数回齧ってもう残そうとしました。すると、それを見ていた娘が「食べないの・・?」と聞いてきました。「もう食べないよ。食べたくなくなっちゃった」と相変わらずぷりぷり答える私。するとじーっと見ていた娘が私のお皿ににゅっと手を伸ばし、私が残したホットサンドを「おいしいよ」と言いながら全部平らげたのです。娘は「お腹がいっぱい」と言っていたはず。私の様子を見かねて「お店の人が可哀想」という気持ちで食べたのは明らかでした。


私には「お店の人にはちゃんとお客さんの怒りや不快さは伝えなくちゃダメ」という気持ちがありました。それに店員さんが交替したこともあって最初に受け付けた店員さんへの怒りも収まらずにいました。だから残そうとしたのです。でも、娘が「おいしいよ」と食べているのを見て、その後冷静になって考えて、「いや、お客だからと威張る必要はなかった。30分も待たずに確認すればよかったし、そもそも私は『お客さま』としてちゃんと扱われているのだから怒る必要もなかった。本当はみんな優しいのだから」と思い直しました。


そうしたら、すっと気持ちがおさまりました。

そんなことがあった翌朝のこと。その日も朝食は同じお店でした。
店員さんは前日とは違うメンバーだったのですが、「何だか昨日よりずっと丁寧だな」という印象を受けました。前日のことがあったのでホットサンドは頼まず普通のパンを食べ、お会計をしようとした時、レジを担当しているのが前日注文を取った女性だということに気付きました。私はもう前日の怒りの気持ちがおさまっていたので何も言わずにお金を払ったのですが、その女性、もしかして前日の引き継ぎミス(?)を覚えていたのか私の顔を見てちょっとアタフタしていました。そしてお会計を終え、お店を出ようとしたときです。その女性が「あ!すみません!お会計間違っていました!」と私を呼び止めました。どうやら会計の方法が間違っていて数百円多く私が払っていたようで、その女性は上司らしき人を呼んできてレジの修正方法を教わりながら、その上司にも私にも「すみません」「すみません」と何度もぺこぺこ頭を下げていました。まるで前日と違う人のようでした。それを見た時、そうかーと思ったのです。結果的に私はこの女性に謝られているって。理由は違うにしろ、その女性は私に謝ることになっていたのじゃないかって。


そして、考えました。前日あのままぷりぷり怒って過ごしていたら、私の怒りが色々なところに影響し、周囲の人にも伝播し、結局また嫌な気持ちで朝ご飯を食べることになったかもしれないなと。こういう結果になったのは前日の娘の行動とそれを見た自分が「大丈夫、みんな優しい」と思い直すことが出来、平坦な気持ちに戻ること出来たからであって、ああ、世の中ってそういうふうに出来ているんだな、つじつまが合うように出来ているんだな、だから不必要に怒ったり蔑んだり妬んだりする必要はないのだな、とすごく納得出来たのでした。それはちょっと不思議な感覚でした。

こういうのってさらっと流してしまえば何てことはない出来事ですよね。だから、自分がそういう風に考えたということ自体に意味があるのかもしれません。今年はそんな自分の感情も意識しながら、過ごしていきたいなと思います。そして人に優しく、もちろん自分にもたっぷり優しく(笑)



その女性の謝罪に、私が「いえいえ、大丈夫ですよ」とにこっと笑ってお店を出た時、子ども達がにこにこしていたのが印象的でした。



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