おいしい台所

ほどほど家事で、おいしい暮らしを。きょうも台所にいます。

いくつになっても「女」であること

1月から手術・治療のため長く入院している母ですが、来月の再手術を控え、今一時退院しています。本来であればそのまま入院してリハビリをしながら体力を戻すべきなのですが、入院期間も2か月を超え精神的にもしんどくなってきており、食事も進まずどんどん痩せていく母を見て、医師から一度退院して体力を戻しておいでと許可をもらったのでした。

 

母は兄と暮らしていますが、今の状態で家事はこなせないので、兄が仕事をしながら、私も週に2~3日を実家で仕事しつつサポートしています。筋力も体力も落ちてしまってまだまだ足元がふらついていますが、食事量はだいぶ戻ってきたのと、何より頭がクリアになってきました。家に居てもソファでテレビを見たり、簡単な片付けをする程度しか出来ませんが、「日常」がいかに精神的な安定を生むものか、母を見ているとよくわかりました。


そんなわけで、先週3日間を実家で過ごし、少し安心して自宅に戻ったのですが。


今週また実家にやってきて、母を見た時「あれ?」と思いました。

あれ?母の髪の毛が黒い。


実は先週母に頼まれて白髪染めを買ってきてはいたのですが、まだお風呂に入れる状態でもなく体力的にもしんどいだろうから、もう少し体力戻ったらにしようねと言っていたのです。まさか・・と思って母に聞くと、

 

「やっちゃった。白髪、染めちゃった。それで頭洗ってお風呂に入って、最初はすごく気持ちよかったんだけど、出たらヘロヘロになっちゃって。その後調子悪いの。お兄ちゃんに怒られちゃった。」と。

 

びびりました。だって、階段も一人で登れない。支えがないと歩けない。そんな状態で風呂掃除をしてお風呂に入ったと。。

 

兄は「何考えてんだ!そんなの今じゃなくたっていいだろ!」と怒鳴って怒ったらしいので私はもう怒りませんでしたが、先週よりも歩くのフラフラしてるし、つまづくし、まったく何やってんだと心配になりました。。

 

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母いわく、「あんな白髪頭じゃ、誰にも会いたくない。外にも出られなかったから。」とのことでした。それにしても、何かあったらどうするの・・と思いましたが、仕事をしようと和室へ入った時に、テーブルの上に置かれているカゴを見て、そうかーと思いました。置かれていたのは、たくさんの化粧品と化粧道具でした。そうかー、女はいくつになっても女なんだなと。母は特に、そういう人なのかもしれないと。「白い頭を見るのが嫌で、鏡も見なかった」と母は言っていましたが、多分髪を染めた後お化粧したんですね。

 

化粧品なんて、ファンデと粉とアイブロウのみ。最近は口紅も色つきリップのみで、ちっちゃなポーチで全てが済んでしまう中学生並みの私にはやっぱり「何もそこまで」と思う気持ちはあるのですが、反面、「女」であることはいくつになっても忘れちゃいけないことなんだなぁと思いもしました。

 

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その晩母に「眉毛がボサボサだから、ちょっと手入れして」と言われて、はさみと剃刀でほんの少し整えた時、母がうっすらお化粧しているのに気付きました。
母は整えた眉を鏡で見て、喜んでいました。

 

手術を終えたら、ちゃんとお化粧して、お出掛け出来るように早く元気になろうね。


でも、もう一人毛染めはやめてー。

とは、心の中でつぶやきましたけど(笑)

 

 

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