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「37.5℃の涙」 椎名チカ
-----Amazonより---------------------------------------------
身動きの取れない親たちに手を差しのべる存在、「病児保育士」。
病気のこどもを人に預けて仕事に行くのは果たして“親失格”なのか?
愛情とは 家族とは 親とは――
答えの出ない問題に、笑わない病児保育士・桃子が真っ正面から切り込む!
最後には必ず笑顔になれると信じて。
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「○○ちゃんがお熱で、今38度です。」
保育園から電話をもらって、心配で心配で
仕事をどうにか切り上げて迎えに行くと
けろりと遊ぶわが子。
(なんだよ、元気じゃん・・)
もちろん元気なことには心から安心
するのですが、「もうちょっと様子を
みてくれたら帰らずに済んだのに」
そう思ったこともたびたびありました。
朝、ほっぺがちょっと赤い。
熱を測ると、37.2℃・・・。
やばいかな。やばいかも。でも、
午前中はちょっと外せない仕事がある。
保育園から電話があっても、午前中は
どうにかみててもらえるかな・・
そうやって、多分熱が上がるだろう、
多分辛いんだろうと思いながら、
子どもに申し訳なさいっぱいになりながら
保育園に連れて行ったこともありました。
37.5℃は、保育園で保育が出来る
ボーダーライン。これを超えると保育園は
子どもを預かってくれません。
だから、共働きの親にとってこの37.5℃は
会社に行けるか、仕事が出来るかの
ボーダーラインなのです。
「病気なんだから当たり前じゃん。親が
みるのが当然でしょ。」
わかります。そうです、そのとおり。
本当は親だって休んでそばにいてあげたい。
きちんと医者に連れて行って、看病したい。
子どもが何より大切。そんなの、働いて
いようがいまいが、親にとっては同じです。
でも、休めない日もあるのです。
休めない人もいるのです。
私は企業に勤めて長いですが、
会社にとっても休まれたら困る、その人が
居ないと仕事にならないことがあるのも
よくわかるのです。
この本は、そんな働く親とその子どもを
取り巻く社会問題について、病児保育士
桃子ちゃんが真正面から向き合っていき、
時に解決し、時にどうにもならずに涙し、
桃子ちゃん自身も成長していく物語です。
決して母親だけの目線ではなく、
父親の、保育士の、そして子どもの目線で、
それぞれの感情が丁寧に描かれています。
そしてこのマンガは、実在する病児保育の
認定NPO法人フローレンスさんをモデルに
描かれたものです。
働くママの涙を誘うだけの物語ではなく
病児保育を通じ、閉ざされた家庭の中での
子育てに関する問題=社会問題について
考えさせられるマンガなのです。
様々な立場の方に、是非読んで
もらいたいマンガです。
(今年ドラマ化されるようです!)
しかし、いち企業で働く母親として切ないのは。
会社の意識がなかなか変わらないこと。
病児保育が当たり前の世の中に
なったとしても、「子ども?そんなの
病児保育に預けて出社しろ!」なんて
普通に上司が言うようになったら
本末転倒ですよね。
企業も、変わらなくちゃダメなのです。
例えばこのマンガをお父さんが見て
お母さんの家事や育児を
サポートしてくれますように。
例えばこのマンガのドラマを会社の上司が
見て、部下に「早く帰ってやれ」と言って
くれますように。
例えば私の拙い記事で、このマンガを
読んでみよう、病児保育って何だろう、と
興味を持つ人が増えますように。
そうやってじわじわと広がって、
大きな声になりますように。
そうして、仕事も、家庭も、家事も育児も。
等しく大切なのだという意識が
みんなに広まりますように。
ひとりの働くお母さんとして
そう切に願います。
**トラコミュ作りました**。
台所しごとについての楽しい情報が集まると嬉しいな。
![]() 台所しごと |
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