3年前に地植えしたレモンが、今年初めて実をつけました。
レモンは毎年花がつくのに全く実がつかず、最近ではぱりぱりと葉を食べるアゲハの幼虫にも「どうせ実もつかないんだから好きにお食べ」と放りっぱなしにしていました。それが今年の初夏、小さなレモンの赤ちゃんが3つも出来たのです。
残念ながらそのうち2つは落ちてしまったり、何かに食べられてしまったようでうまくいかなかったのですが、たったひとつ。養分を存分に吸い取ってまるまると太った実が、大きく大きく育ち、いよいよ収穫を迎えたのでした。
農薬なんてもちろん使っていないし、皮ごと食べても問題ない。大切な1個をどういうふうに使おうかなと悩んだのですが、ふと、小さい頃に母が作っていたはちみつ漬けを思い出しました。
うちの母は運動会の前には必ずタッパーにたくさんの「レモンのはちみつ漬け」を作り、お弁当と一緒に持ってきてくれました。甘いはちみつを取り込んだレモンは本当に美味しくこれを食べると疲れが吹き飛び、「ちょうだいちょうだい」と、兄と一緒に何枚も齧りました。
母もよく食べる私たちが嬉しかったのか、運動会以外でも冷蔵庫にこのタッパーが入っていることがよくありました。冷蔵庫を開けて、タッパーを開けてスライスをつまんで口に入れ、行儀悪く食べる兄と私。いつの間にか冷蔵庫を開けて私たちが満足するのはゼリーになりプリンになりアイスになりましたが、そのどれよりもレモンのタッパーの記憶はそれを開けてつまむ様子まで鮮明に残っています。
レモンのはちみつ漬けなんて、ただスライスしてはちみつに漬け込むだけで難しいことは何もないのですが、子ども達に食べさせたいなと思いました。
台所で追熟していたレモンの実が週末を待たずに黄色くなってきたので、平日子ども達が寝静まった頃にスライスしてはちみつに漬けました。
たった一つのレモンなので、空き瓶を使って。
そして翌晩、こっそり一人で、はちみつレモン茶をいただきました。
明日、子ども達に食べさせてみよう。
子ども達、スライスそのまま食べるかな?
お茶にしたほうが良いかな。
酸っぱいって、言うかなぁ。
子ども達の酸っぱい顔を想像しながら。
はちみつレモンの夜更けです。
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