あちこちの柿の木がオレンジ色に染まってきました。秋です。先週、小庭の掃除をしていたらお隣のおじいちゃんが「お兄ちゃんいるの?いたらこれから柿をとるからちょっと手伝ってほしいんだけど」と声を掛けてくれました。
お隣のお庭にはもう本当に羨ましい位の果樹があり、ゆずに梅にブルーベリー、ぶどうに柿と、毎年うちでもたくさんのいただきものをします。柿は私の大好きな次郎柿で、そんじょそこらのスーパーで売っている柿よりもずっと美味しいのです。柿をとるお手伝いなんて楽しそう。早速息子を呼んで、お手伝いに行かせました。
おじいちゃんが高枝切ばさみでちょきんと切った柿を息子が網でキャッチし、バケツに入れていきます。柿の木には100個はありそうな柿の実。バケツはどんどん一杯になり、なるたびにおばあちゃんが「これは○○さんのお宅に」「これは△△さんに」と袋に詰めて持って行って大忙し(笑)
息子はそんなお手伝いもおじいちゃんとのやりとりも楽しそう。私はそーっと自分の家に戻り、小庭をいじりながら遠目で見守っていました。
うちの子ども達はもう小学生ですが、割と人見知りをします。よく知った人でも親が居ないと関わろうとしないことがあって、たまに心配になります。おじいちゃんの柿とりはおじいちゃん一人でも全然大丈夫そうで、本当は息子を楽しませようとしてやらせてくれているのだとよくわかりました。それを「俺ひとりじゃ大変だから手伝ってよ」と誰にも気を遣わせることなく自然に声を掛け、こんなちびっ子を相手にちゃんと作業をさせてくれる。息子もおじいちゃんを信頼しているから、私が居なくても楽しそうです。
何年か前、娘が2年生位の頃。仕事が遅くなって娘の帰りに間に合わなかったことがありました。大変、どうしよう。家の前できっと困っているぞと大急ぎで帰ったら、娘がお隣のお家から出てきました。「鍵がないから入れないって言ったら、お家に入れてくれたの」と照れくさそうな娘の顔。おばあちゃんからおやつまでもらっておばあちゃんとおしゃべりしていたら、私が帰ってくるのが見えたようでした。あの時ほど、お隣の存在に感謝したことはありません。子ども達が安心して頼れる、親以外の大人が近くに居るというのは、なんて幸せなことだろうと思いました。
息子はしばらく手伝った後、大きな袋にたくさんの柿を入れてもらって、「もらったよ」とにこにこしながら帰ってきました。
実は息子は柿を食べません。
でも、剥いた柿を一切れ渡すと、「これ、お手伝いしたんだよ」と嬉しそうに食べました。
曇り空の寒い日でしたが、気持ちがすっかり温かくなりました。
そして柿は、やっぱり美味しかった!
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