私の母は若い頃から民謡を習っていて、昔からの仲間と一緒に今でも色々な施設でボランティアで歌っています。民謡でを通じてのお友達はたくさんいて、民謡がない時でもご飯を食べたり、電話でしゃべったりしてお付き合いが続いています。
その中の一人に岩手出身の方がいて、何年か前まではそのお友達と一緒に時々岩手へ旅行にも行っていました。誰とでもすぐに仲良くなってしまう母は、岩手でもそのお友達のお姉さんや、よく行く飲み屋のママと仲良くなり、以来お互い行き来しては会ってご飯を食べるようになりました。
母も昨年72歳になり、そろそろ旅行などがしんどくなってきたようで、岩手に行くこともほとんどなくなりました。それでも春には山菜が、秋にはきのこが、冬にはりんごが届き、母が「○○ちゃんが好きな干し芋を送るの」「この間こんなお菓子を送ってね」とお返しし、おくり物をし合って電話でおしゃべりし合うやりとりは続いているようです。
年末、実家に帰ったとき、ダンボールに入ったりんごの中から、赤と黄色のりんごを10個程、母が持たせてくれました。赤は「ふじ」黄色は母のお友達の手書きで「キンタロウ」と書かれていますが、「キタロウ」の間違いのようで(笑)、「ふじ」に「はつあき」を交配して作られたりんごだそうです。
りんごは調度この時お隣からもいただいていて家にたくさんありました。蜜が入ってパキパキと新鮮なうちにもいくつか食べられたのですが、日が経つにつれて残ったりんごがどうもふかふかしてきました。
そこで、以前も作った「りんご糖」を作り、せっかくの美味しいりんごを長く楽しもうと思いました。
■りんご糖の作り方
<材料>りんご(何でも良いですが、紅玉なら赤く、ふじ等なら黄色くなります。)、砂糖大さじ1、お酢大さじ1、水おおさじ1、グラニュー糖大さじ3、レモン汁適量
<作り方>
1.りんごを薄く切り、塩水に10分ほどつける。
2.1を鍋に入れ、砂糖・お酢・水で煮詰め、レモン汁少々をふる。
3.2を天日で丸3日干す。
夜は取り込みます。
干しあがりはこんな感じ。
4.袋にグラニュー糖と3を入れ、袋の中でまぶす。
保存瓶に入れて、出来上がり。
長く楽しむ・・といっても、こうしてキッチンのカウンターの上に置いておくと、いつの間にかあちこちから手が伸びてなくなってしまうんですけどね(笑)
それにしても、母からりんごや、山菜をもらう度に思います。
母はパートで時々働くことがあっても基本専業主婦で、社会とのつながりは薄かったかもしれませんが地域とのつながりは濃い人でした。それはいまも同じで、住むところ住むところでお友達を作るし、昔からのお友達とはずっと長いお付き合いをしています。
ふと振り返ると私は、仕事をしているからをいいことに、地域とのつながりは最小限。会社に行けばたくさんの仲間が居るけれど、地域であるとすれば保育園や学童のママ達とのつながりが主で、それだって子どものつながりがなくなれば薄れていくことはわかっています。
このまま定年まで働いたとして、その後自分に何かのこるかな?と。
母のように、歳をとっても地域に貢献する仲間が居たり、昔からの仲良しと旅行に行ったり、遠く離れていても常に気に掛けてくれる友達たいたり、そんな風に自分の居場所がちゃんとあるかな?と。
それって、日々の暮らしの中で、地域ときちんとつながりをもってきた人でなければ残らないものなのではないかな、と。
「キンタロウ」とマジックで書かれた優しい文字を眺めながら、最近なんとなく気になり始めたそんなことを、またぼんやり考えたのでした。
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