「鎌倉、のんで、たべる」 赤澤かおり
Amazonより---------------
鎌倉で暮らしはじめて15年の赤澤かおりさん。著作にはハワイの本が多く、1年をハワイと鎌倉をベースに暮らし、編集ライターとして特に30代40代の女性ファンが多い。 鎌倉に暮らすことは大変なのでは?とよくきかれるそうですが、 東京での仕事の諸々が行き帰りの電車でリフレッシュされるので、むしろこの距離が必要とのこと。鎌倉に暮らすことに重きをおくのは自分の暮らしに余裕をくれるところだから、と。
赤澤さんが20代から暮らしてきたなかで、美味しいと思う鎌倉のものを「これ、食べてみて! 」的に、お伝えする本です。ただおいしいお店紹介だけではなく、お店の方のお人柄、雰囲気やたたずまい、赤澤さんがそこに通う理由、エピソードなども交えた文章と、同じく鎌倉在住の写真家、長野陽一の写真でおいしい鎌倉をつづる本。---------------
もう10年以上も前になります。会社の友達と鎌倉に行きました。
調度今くらいの初夏で、私は鎌倉が初めてで、そんな私に鎌倉数度目の友達は「鎌倉の基本を教えよう」とばかりに、小町通り・鶴岡八幡宮・銭洗弁財天・大仏・明月院と「ザ・鎌倉」な場所をあちこち案内してくれました。
小町通りでは有名なホットケーキを食べてお漬物や豆菓子を買ったり、銭洗弁財天では小銭を洗ってお参りし、大仏に圧倒されたりしてそれぞれの場所をそれぞれに楽しみましたが、それより何よりその時の記憶で私の中に残っているものがあります。それは住宅のある裏道や路地。
車の通らないそんな道には、玄関先や小さな庭に花が植えられていて、初夏の日差しを浴びながら時々吹き抜ける涼やかな風にそよそよ揺れていました。とにかく暑い日で、私達はもう半袖で、「ねぇ、まだ着かないの」「まだだってば。ほらー、歩く歩く!」なんて言い合いながらひたすら歩きました。裏道は静かで、ちょっと先を見ればこんもりとした丘があり、時々美味しそうな食べ物屋があり、小さな雑貨屋があり、観光地のざわざわした雰囲気とは違った穏やかな空気が流れている。「こんなところに住みたい。鎌倉っていいなぁ」とその時しみじみ思いました。
この本を読んだとき、「ああ、これこれ。これが私が『鎌倉』に感じた良さなんだ」と思いました。著者の赤澤さんはこの本の中で、赤澤さんが日常の中でこれまで食べてきたものを、そのお店を知ったきっかけや食べたもの、お店の方とのエピソードなどとあわせて紹介されています。
写真も素敵だし、どれも心の入ったものばかりでとても美味しそうなのですが、それに加えて赤澤さんの文章がとても良いのです。飾らず、威張らず、感じたことを素直に、冷静に、ちょっと可愛らしく表現されている。それがそのまま、私の感じる鎌倉の雰囲気にぴったりだと思いました。
鎌倉には初めて行って以来、1~2年に1回くらい、一人で遊びに行っています。私の中では鎌倉といえば初夏、というふうにインプットされてしまったので、行くのはいつも5月~6月。いつも何か所か行きたいところを決めて行き、美味しいごはんを食べて、ぶらぶら歩いてあちこち写真を撮り、おやつなどを買って帰ります。そう、そろそろ私にとっての鎌倉散歩の時期なのです。
今度行く時には、赤澤さんのおすすめするお店の中からどこか一つでいいから行って、食べる。それを目的に行きたいなと思っています。オムライスもいいし、カレーラーメンも捨てがたい。いや、ちょっと奮発して天ぷらもいいかな。
そして帰りには鳩サブレーを忘れずに。
鳩サブレーの豊島屋さん。記事を読んでそのカッコよさに目頭が熱くなりました。こんなにイキなことをされたら、応援せずにはいられません。
さてさて。
今度はいつ行こうかな。
今までになく、楽しみです。
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