おいしい台所

ほどほど家事で、おいしい暮らしを。きょうも台所にいます。

略して何が悪いっ

 

先日のこと。

 

実家でテレビを見ていたら、「ほんとにあった怖い話」が今年も放送されるとCMで流れました。ああ、お盆時期だし怖い話シーズンよね、今回もちょっと面白そう・・と思いながら、子ども達に「あ、ほらほら。今年もやるよ、『ほん怖』。見る?どうする?」とちょっとうきうきして話しかけました。すると娘が心底ウザいという顔をして私にこう言ったのでした。

 

娘「かーちゃんさぁ」

私「ん?なに?」

娘「その、縮めて言うのやめたほうがいいよ。」

 

???。私には娘の言う意味がさっぱりわからず、「え?なにどういう事?」と聞き返しました。すると娘、

 

娘「だからさ、その『ほん怖』とかって縮めて言うの。なんかすごいおばちゃんぽいっていうか、頑張ってる感じで嫌。」

 

・・・。

 

その瞬間、私の中で何かがぶちっと切れました。

私別に頑張ってないしっ。カッコつけようと思って言ってる訳じゃないしっ。おばちゃん・・じゃないしっ(そこは微妙(笑))。

それで、

 

「あんたね、そもそもこのドラマは10年も前からやっててね、昔はレギュラー番組で『ほん怖クラブ』の子ども達がいっぱい出ててね、そんで子ども達は稲垣君と『ほん怖』『ほん怖』言っててね、つまりその略し方は正しいっつーことで、あんたよりかーちゃんのがよく知ってるっつーことで、要するにあんたにそんなこと言われる筋合いじゃないっつーことでね。大体それなら『ミスチル』はどうなんだ。『逃げ恥』は。『ミスド』は。『キムタク』はダメなのか。」

 

・・と喉元まで出かけました。が、あまりに娘にちんぷんかんぷんな内容だったのでぐっと飲みこみ、

 

「何も知らないくせに・・・っ」

 

と結局娘にとってはちんぷんかんぷんな一言を返して終わったのでした(笑)

 

 

「ほん怖」に限らず、一般的に略して言われることや、よく知ってるから略すこと、若いから略す言葉など、略して言われることって色々あります。その中でも自分が若かった頃に略して言ってたことは歳をとってもやっぱり言ってるなと思います。

 

それでもいいじゃん、別にと思いつつ、そういえば70歳を超えた実家の母がもし「『ウンナン』、面白いよね」とか「『吉牛』で牛丼食べたの」とか言ったら、・・ちょっと頑張ってるなと思うかもと納得もした私です(笑)

言葉も、年相応の使い方ってあるのかもしれないですね。

 

 

 

そんなことがあった数日後、母から月下美人の写真が送られてきました。

 

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「つぼみがふくらんでいた月下美人が、ようやく咲いたよ」、というメールとともに送られてきました。月下美人はサボテンの一種で、それはそれは美しい花を咲かせ、花開く直前から香水のような芳香を漂わせるのだそう。ただし花開くのは夜から朝までの間にたった一回きり。しかも2時間程度でしぼむそう。「月下美人」の名のとおり、月の下でひっそりと、儚く美しい花を咲かせるのです。本当にきれいですよね。

 

「いいなぁ、いい匂いなんでしょう。見たかったな」

と返信したら、母から返事がきました。

 

「貴女のところにも、香りが届けばいいのにね」

 

母はメールで私のことを「貴女」と書きます。

最初はよそよそしくて嫌だったのですが、最近は母らしくて好きな使い方だなと思うようになりました。

 

母のメールを見ていて、「うん、やっぱり歳相応の言葉の使い方ってあるのだな」と思いました。歳相応の誠実で美しい言葉の使い方も、必要なのだな、と。

 

 

でもまぁ、それはそれとして。

 

「ほん怖」は「ほん怖」だけどね(笑)

 

 

 

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