少し前のこと。お隣のおばあちゃんが大きなタッパー一杯に入ったお味噌を持ってきてくれました。毎年いただいている自家製味噌です。
聞けば、おじいちゃんも高齢になり、千葉にある家や田畑の管理が大変になってきたとのことで、それらを他の人に譲ることにしたそう。お味噌の材料や仕込みはすべて千葉でやっていたそうなので、お味噌をいただけるのも最後になるとのことでした。
おばあちゃん家のお味噌は、飲むと口の中に旨みが広がって本当に美味しい。お味噌汁は最後の一滴までしっかり飲み干します。家族みんなに「お隣のおばあちゃん家のお味噌、もうこれで最後なんだって。」と言いながら、大事に大事に飲みました。
考えてみれば、わが家の台所は野菜や、お米、夏みかんに梅などおじいちゃんの畑で収穫されたものや、それらを使って作られたお味噌、ジャム、梅干し、漬物等々、本当においしいものをたくさんいただいてきました。本当に有り難かったし、それらをいただいたり、お返ししたりするやりとりの中でのちょっとしたおしゃべりは、私にとって大切な時間でもありました。なので、淋しいなぁというのが正直な気持ちです。
母のことを考えれば当然お隣のご夫婦だって歳を取るわけで、その中で何かをやめたり、あきらめたりすることもあると思います。「もう危ないから、やめたほうがいいのよー」なんておばあちゃんはカラッと笑っていたけれど、きっと一番淋しいのはおじいちゃんやおばあちゃんなんですよね。
なので、ここから先は周りの若者が返していく番かなと思います。若者というか既におじちゃんおばちゃんですが(笑)、お2人ほどは無理でも、美味しいものや面白いもの、たくさんおすそ分けしていきたいなと思う。お手伝い出来ることも、していきたいな。
お味噌が空になったタッパーに、いただいた夏みかんで作った寒天寄せを作って持って行きました。面倒な皮むきは、娘にもだいぶ手伝ってもらいました(笑)
左がおばあちゃんに渡すほう。右の琺瑯バットのは、うちで食べる分です。
ちょっと砂糖が足りなかったかなぁ。でも、夏みかんぎっしりでなかなか美味しく出来ました。
翌朝、ベランダ越しにおばあちゃん、「美味しかったよ。大変だったでしょう」と。寒天寄せの作り方や、「そういえば大根漬けたのがあるよ。食べる?」なんてやりとりをひとしきりした後、おばあちゃんがこんなことを言いました。
「そうそう、じーさんがね、○○川の近くにまた畑を借りたのよ。色々育てるんだって。今も行ってる。」
80歳を超えるおじいさん。
まだまだ現役、元気ですね(笑)頼もしくて、大好きです。
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