「ひでこさんのたからもの。」 つばた英子 つばたしゅういち
Amazonより---------------
87歳と90歳の菜園生活第2弾!伝えたい味覚の記録です。愛知県のニュータウンで、はる、なつ、あき、ふゆ、キッチンガーデンで野菜を育て、換気扇のない台所でほんものの味がつまった料理を作る。お金よりも大切なことを知っている、ばぁばとじぃじの物語。
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以前もご紹介した、つばたしゅういちさんと英子さんの菜園生活のその後。「あしたもこはるびより。」のそれからの本です。
ちいさな丸太小屋で野菜をつくり、丁寧な暮らしを続けるしゅういちさんと英子さん。87歳と90歳のお2人は、相変わらず素敵な笑顔で、マイペースに、食べることを大切に暮らしていらっしゃいました。「こはるびより」の時と変わったことは、しゅういちさんが病気をされたこと。英子さんはしゅういちさんの為に塩抜きの食事を徹底し、それでもおいしく食べられるように出汁や材料に工夫をし、その工夫自体を楽しんで張り合いにしていらっしゃいました。
今回も、英子さんが作る食事やおやつの美味しそうなこと!しゅういちさんのとぼけた感じが可愛らしいこと!そしてお2人の菜園の野菜や果実の美しいこと!丸太小屋の中でお2人がお互いを思いやりながら暮らす様子は、本当に理想の夫婦であり、暮らしぶりだなぁと思いました。
最後のほう、英子さんの言葉です。
「いっぺんにやろうとするからいやになっちゃうの。明日やったっていいと思えば、気分も楽でしょ。最近はもう、そういうペースにしたから」
片付けも畑も手仕事も、「ねばならない」という気持ちになっては楽しくない。普段、「これとあれを終わらせてから寝なくちゃ」とぎちぎちに縛っている自分を振り返り、こうやって「ま、いっか」とどこかで区切って自分を許すことも、ずっとずっと丁寧に暮らし続けていくためには大切なことなのだなとしみじみ思いました。
そして。
あとがきの最後に、昨年の6月にしゅういちさんがご逝去されたとの記載がありました。お昼寝をしたままの、安らかな最期だったそうです。
お2人の笑顔のページを見返し、こんなに仲良く、いつも一緒に暮らしてきたしゅういちさんがいなくなって、英子さんの悲しみはいかばかりかと想像したら、胸が痛くて痛くて涙がこみ上げてきました。しゅういちさんのご冥福を心よりお祈りいたします。そして「食べるを大切にする」こと、「お互いを思いやる」大切さを教えてくださったお2人に、心からありがとうございました。
私もお2人のように。
夫と家族と、たからもののような暮らしを紡いでいきたいと思います。
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