台所からリビングまで、梅の香りでいっぱいになった6月某日。和室の座卓にざるやボウルや鍋をいっぱい並べて、完熟梅を前にいそげいそげの梅祭りです。
事は5月末頃にさかのぼります。
「今年も梅干し作るんだろ?梅なら山ほど分けてやるから、スーパーなんかで買わなくていいからな。」
小庭の草むしりをしていた時、お隣のおじいちゃんとおしゃべりしていてそんなことを言われました。そういえば去年も梅を分けてもらったっけ。そうか、それなら今年は梅を買わずにおじいちゃんからいただいた梅で梅干しを作ろう。そう思って、スーパーに青梅が並んでも紫蘇が並んでもぐっと我慢して待っていたのです。
ところが、梅雨入りしても、沖縄が梅雨明けしても、一向に梅がやってこない。スーパーの梅も青梅から黄色みがかった梅が置かれるようになり、周囲ではちらほら梅しごとを始めたとの声が聞こえてきます。おじいちゃん、忘れちゃったのかな。催促するのも嫌だしな・・と、とうとう我慢出来ずに、スーパーで1パックの梅を買ってしまったのでした。
万が一おじいちゃんから梅がきたら、それで梅干しを作ればいいか。そう考え、買ってきた梅はぽたぽた漬けにすることにして、仕込みを完了させ、とりあえず今年の梅を食べ逃さずに済んだとホッとしていたその晩・・「こんばんはー」とおじいちゃんの声がしました。
玄関に出るとおじいちゃんがサンタクロースさながらに大きな袋を肩に背負って、にこにこ顔で立っていたのでした。見れば袋の中は梅!梅!梅!なんと5キロもの梅がやってきたのです。
きゃーすごい!!
「すごいいい梅だよ。だいぶ熟してきちゃったから、すぐにでも漬けたほうがいいね。」というおじいちゃんのアドバイスどおり、いただいたその晩早速アク抜きをし、翌日にはホワイトリカーと塩と氷砂糖を買ってきて、次々に仕込みを開始しました。
今までやってきた梅しごとはせいぜい3キロが限度。それが今年は、最初にスーパーで買ったぶんを含めるとなんと6キロの梅しごとです。梅シロップも梅酒も梅干しも、今年は贅沢にいつもよりぐっと梅の量が多めです。仕込みをしている和室はもちろん、台所もリビングも、梅のいい香りでいっぱいになりました。ボウルもざるも鍋も総動員で、梅と梅の香りに包まれたまさに梅祭り(笑)
梅シロップと梅酒は瓶に、梅干しは塩を入れて漬け、塩水に浸しておいたぽたぽた漬け用の梅はざるにならべて、どうしても残ってしまった500グラムはアク抜きだけして冷凍庫に入れました。生の梅がなくなったことで、仕込み完了―!とやっと一息。
梅干しもぽたぽた漬けもこれから本漬けが待っているけれど、6キロの梅をさばき終えてかなりの満足感。何よりおじいちゃんも自信まんまんだった今年の梅です。全て無農薬でのびのび育った梅たちが一体どんな味になってくれるのか、今からとっても楽しみなのです。
梅雨が明ける頃には、シロップもいい具合になっているかな。
それまでに梅干しの本漬けを終わらせて、コロンコロンとざるにならべて干して・・。
2016年の梅しごとも、楽しく、いそがしく、開始しました。
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