先日、地域の会合で、学区内にある中学校の校長先生のお話を聞く機会がありました。その会合は「社会を良くする」がテーマでしたが、その校長先生が取り上げた中で、「子どもとスマホとの付き合い方」についてとても良いお話があったのでご紹介します。
これは、アメリカのマサチューセッツ州のお母さんが、13歳の息子のクリスマスプレゼントにiPhoneをあげた時のお話。iPhoneにはお母さんが作った「使用契約書」が入っており、息子がiPhoneを使うにあたり守らねばならない18項目が書かれている、というもので、会合の中で校長先生は「子どもにスマホを持たせるにあたり、家庭でルールを作るのはとても難しい。でもこのアメリカの例は、子どもに愛情をきちんと伝えつつ、厳しく伝えるべきところは伝えている、とても参考になる例だと思う」とお話されていました。
まとめサイトがあったので、まずは見てみてください。
日本でも一時期話題になって情報番組で取り上げられたそうなので、知っている方も多いかもしれません。
この中で特に良いなと思ったもの。
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1.これは私の携帯です。私が払いました。あなたに貸しているものです。私ってやさしいでしょ?
2.パスワードはかならず私に報告すること。
4.学校がある日は7:30pmに携帯を私に返却します。週末は9:00pmに返却します。携帯は次の朝の7:30amまで電源オフになります。友達の親が直接出る固定電話に電話出来ないような相手ならその人には電話もSNSもしないこと。自分の直感を信じて、他の家族も尊重しなさい。
6.万が一トイレや床に落としたり、無くしたり、破損させた場合はの修理費用は自己負担です。家の芝生を刈ったり、ベビーシッターをしたり、お年玉でカバーしてください。こういうことは必ず起こります、準備しておいたほうがいいでしょう。
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きっちり、「これは私(親)の持ち物だから、親に所有権がある。見る権利もある。時間の制限は親が決める。壊したら弁償しなさい。」と伝えている。これって実はすごく大事なところで、子どもは中学生やそこらではスマホのような高価なものは買えないし使用料も支払えないんだから、親に権利があるのは当たり前なんですよね。
iPhoneを渡す最初の肝心なところでそれを伝えている。子どもに「これは私のもの、だから時間も内容も全部自由」と勘違いさせないようにしているわけです。
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8.人に面と向かって言えないようなことをこの携帯を使ってSNSやメールでしないこと。
11.公共の場では消すなり、サイレントモードにすること。特にレストラン、映画館や他の人間と話す時はそうしてください。あなたは失礼なことをしない子です、iPhoneがそれを変えてはいけません。
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全てをiPhone任せにしない、依存しない。iPhoneを渡すことで、「失礼なことをしないはずのあなた」が変わってしまわないようにして。ここもすごく上手で、頭ごなしに「あれダメ、これダメ」じゃなく、「あなたのことを信じている。あなたのことが大好き。だからiPhoneによって変わってしまわないで」と伝えている。
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17.上を向いて歩いてください。あなたの周りの世界を良く見てください。窓から外を覗いてください。鳥の鳴き声を聞いてください。知らない人と会話をもってみてください。グーグル検索なしで考えてみてください。
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これもとても好きです。手元のiPhoneで、確かに世界につながることが出来るけれど、上を見て、世界をリアルに見て、感じてほしい。検索するんじゃなく、自分の頭で考えてほしい。そのとおりだと思います。
実は小学5年生の娘が「スマホが欲しい」と言い出して、少し前にかなり揉めました。友達が持っているから、友達とLINEしたいから、友達とおしゃべりしたいからスマホが欲しいのだと。
確かに娘の友達でも、近頃はちらほらスマホを持つ子も出てきました。必要ない、あなたのLINEのために毎月これだけのお金はかけられないと、具体的な金額も伝えてきっぱり断りましたが、とはいえあと数年後、中学生にもなれば渡さざるを得なくなるんだろうなと思っていました。でも、その時が来たらどういうルールを作るべきかはぼんやりとしか考えていませんでした。
スマホは便利です。子どもに持たせれば居場所がわかったり、すぐに連絡が取れたり、LINEだって子どもと出来たら楽しいなと思うこともあります。でも、上手く距離を保てない子ども達にはやっぱりルールが必要。大前提として「あなたが大好き」と伝えつつ、守るべきことをきちんと伝えているこの「18の約束」は本当に素敵だなと思いました。会合ではプリントとして配られたのですが、いつか娘が持つ日まで大切に取っておいて、18の約束我が家版を作ろうと思っています。
そして。
もちろんですよね、大人も。
スマホの画面で見たり、聞いたりすることは出来ても、直に感じることは出来ません。誰かの月の写真を見たら、自分も空を見上げてみる。美味しそうなスイーツを見たら、お店に行ってみる。昔の友達とつながったら、会ってみる。そうやって小さな画面に入り込むだけにとどまらず、リアルで楽しんでみる。それが、大人の上手なスマホとの付き合い方だと思います。
「すべてを収録する必要はありません。人生経験を肌身で体験してください。すべてはあなたの記憶に収録されます。」
そのとおり。
大切なのは、体験すること。
冒頭の写真は娘が4歳か5歳のときに「でんわがほしい」と言って作った 携帯電話です。子どもは親が使うものも使い方もちゃーんと見ていて、真似したいんですよね。
まずは、親からなんだろうな。
本日の記事は、自戒を込めつつ。
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