先日夕飯の支度をしていたら、お隣のおじいちゃんから嬉しい嬉しいお届け物がありました。おじいちゃんの、千葉の田んぼのお米と、
梨と・・その下の黄色い果物。これ何だかわかりますか?
実は私も初めて知ったのですが、これ「ポポー(又はポーポー)」という名の北米原産の果実だそう。収穫するとすぐに熟してしまうため流通が難しく、市販されることが少ないので、見たことがないという人が多いようです。それもあって、「幻の果物」と呼ばれているそう。
おじいちゃんはこのポポーを育てたくて2本の苗を買ったそうですが、「苗が1本6000円もするんだよ!でも2本あったほうが実がなるっていうし、12000円も使っちゃったよ」と笑いながら言っていました。その実がやっとなったそうで、お裾分けしてくれたのでした。嬉しいなぁ。
いただいた時には既にだいぶ熟していて、包丁を入れると実がぐにゃりと変形するほど。これをスプーンでいただきます。一体どんな味がするのか、一口すくっておそるおそる口に運ぶと・・・
「甘い!」。味は他で例えるのが難しいのですが、ねっとりとした感じはアボカドのようで、味そのものはマンゴーに近い。口の中で味わっていると、口当たりも香りもカスタードクリームのようです。美味しい。
ただほんのりした青臭さもあるので、子どもは苦手に思うかもしれません。
生まれて初めて食べたポポー。貴重な体験をさせていただきました。
ポポーを食べたときに、ふと思い出したことがあります。
もう20年くらい前になりますが、父と母と一緒にバリへ行きました。父の職場の旅行について行ったのですが、そのバリで初めて「ドリアン」を食べたのです。ほんのひと口、ふた口でしたが噂に違わずすごかった(笑)言うなれば、生ごみに包まれた超高級チーズケーキ。そのチーズケーキに辿り着くためには生ごみの匂いを我慢しなければならない、という(笑)
ポポーを食べたとき、父や母と一緒に、苦笑いと大笑いをくり返しながら食べたドリアンのことを思い出したのでした。あの、臭いをかきわけて出会った初めて食べる芳醇な実に、ポポーはちょっと似ている気がしました。
バリ島では、名所をまわり現地の美味しいものをたくさん食べました。素晴らしい絵画や木彫りの作品も見ました。絵画や置物が展示販売されている場所で、お土産に私は木彫りの置物を買ったのですが、その時父と母がじっと一枚の絵を見つめているのを見ました。後で知ったのですが、その時父はその絵をとても気に入り、買おうかどうしようか迷っていたのだそうです。結局買わずに帰国したのですが、父は帰りの空港でも、家に帰ってきた後も、ずっと「買えばよかった」と後悔していました。とても美しく、見ているだけで気持ちが良くなる絵で、素晴らしかった。欲しかった。買えば良かった、と。
父が亡くなって少しした時そのことを思い出し、いつかどこかで絶対見つけてその絵を買うんだ、父が欲しかった絵を見るんだと、叶うはずのない夢を思い描いたりしていました。
バリの暑さと、果物の香りと、鮮やかな花々の記憶と一緒に、今でもふと、それはどんな絵だったのかなぁと思うことがあります。
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