お隣のおばあちゃんに苗をいただいて、夏の間目を楽しませてくれたフウセンカズラのフウセンが、茶色く色づきました。
いくつかを取って中を見ると、中からは3粒の種が出てきました。初めて知りましたが、種は3つと決まっているのですね。ぽろんぽろんと種を出すと、白いハートがどれもきれいについていました。
あんまり可愛いので娘に見せたら喜ぶだろうなと思い、帰宅した娘に「ねぇ、見て!これ種なんだよ、可愛いでしょう、ハートが付いているんだよ!」と興奮しながら言いました。すると娘はテレビを見ながら、「うん?うーん。そうだね」とサエない返事。
なんだよ、つまんないなぁと思いながら種を袋にしまい、しまいながらふと、私が初めてフウセンカズラの種を見たときのことを思い出していました。
私がフウセンカズラという植物を初めて見たのは、実家です。以前、母が庭で育てていて、ほおずきに似た実が可愛いなと思って夏の間眺めていました。夏の終わりに母が興奮気味に手をグーにしてやってきて、私の前でぱっと開きました。中には黒い丸い種。良く見ると白いハートがついていました。母は私にタネを見せながら言いました。「すごいでしょう!ハートなんだよ。可愛いよね」。その時の私は、確かに可愛いなとは思いましたが母ほどの感動はなく、「すごいでしょう」と喜ぶ母に「そうだねー」と適当な返事を返していたのでした・・。そう、娘の私への態度とまったく同じ(笑)
植物って。いや、生き物全般って、育てている人とそうでない人とでは、その成長ぶりや可愛さに対する感じ方が天と地ほども差があるのかもしれません。そりゃそうです。苗から毎日水をあげて、大きくなったな、花がついたな、あ、実がなってる!と日々世話して見てきた人とそうじゃない人とではその喜びが違うのは当たり前。まるで子育てみたいなものですよね。
その後娘がやってきて言いました。「ねぇ、その種にペンギンの顔描いていい?」
いいよいいよ。それで来年それを植えて育ててごらん。きっと出来たハートの種を、愛しく思うに違いないから。
育てるといえば、先日うちのメダカのたまごが孵りました。
大事に育てている娘の動揺といったらなく、仕事中に電話をかけてきて、「かーちゃんどうしよう!メダカが孵ってる!泳いでる!どうしたらいい?」と大慌て。あまりの慌てぶりに可笑しくなって、「大丈夫、落ち着けっ」と伝え、帰ってからみんなで様子を見守っていました。
最初は元気に泳いでいたメダカが動かなくなってしまったのは3日目の夜。
お腹の栄養がなくなり、エサをうまく食べられなかったのが原因だと思いますが、私もショックだったし、娘のふさぎようは見ていて辛かった。2ミリほどのたまごから孵った5ミリにも満たない糸のような稚魚でしたが、ずっと世話をしていた娘にとっては、可愛い可愛い赤ちゃんだったのだと思います。娘は動かなくなった稚魚を見て泣き、その晩は泣きながら眠ってしまいました。
植物でも動物でもお魚でも、「育てる」ということを、子どもたちはこうやって学んでいくんですね。悲しいけどね。
でも、楽しいんだよね。
翌日、娘はフウセンカズラの根元に、メダカの赤ちゃんを埋めてあげていました。
ばいばい、だね。
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