読書の秋なので、もう少し本の話を。
私は基本的に本は欲しい時に買いますが、読み終えた本は「読み返したい」と思えるもの以外はすぐに手放します。
たくさん買って、たくさん手放し、またたくさんの本を買う。そんな繰り返しの中で残ってきた本たちがあります。もう読まないかな、手放そうかな・・そう思ってもいざ手に取ると、どうしてもそれが出来ない。そんなふうにして残ってきた本たちの一部を、今日はご紹介したいと思います。
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私が台所好きになるきっかけとなった本です。
仕事をしながらの家事、特に時間がない中こなす台所仕事は結婚したばかりの私には楽しみよりも苦痛ばかりでした。平松洋子さんのきっぷのいい文章で、台所と、暮らしまわりのモノやそれにまつわる出来事が書かれているこの本は、モノの良さと、それを使う楽しみ、そして日々の暮らしの尊さを教えてくれました。
この後、平松洋子さんの本を買い漁りました(笑)
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枕もとに靴 北大路公子(初版2005年)
もう、ただただ面白い。北海道に住むのに雪が嫌いで、お酒が大好きで、日々呑んだくれている北大路公子さんの、日々のぐうたらエッセイです。天才的に面白い文章で、電車の中で読みながらにやにやしてしまって何度「やばい!」と顔を伏せたことか。公子さんの本を読むと、「ああもうそんなに頑張らなくてもいいじゃない。ぐうたらしてたっていいじゃない」と気持ちが楽になります。
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ずらり料理上手の台所 お勝手探検隊(初版2007年)
今みると、米沢亜衣さん、ケンタロウさん、高橋みどりさん、伊藤まさこさん、高山なおみさん・・・豪華なメンバーが集まった本だったなとしみじみ思います。
使い込まれた台所はどれも本当に素敵で、モノというのは出っぱなしでもきちんと役目が与えられていれば美しいのだなと気付かされます。「その2」では、坂田阿希子さんや堀井和子さん、門倉多仁亜さんなども。
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ダ・カフェ日記 森友治(初版2007年)
大好きです、この写真。この本を読んでもともと好きだった写真を極めたくなり、一眼レフを買いました。でもどう頑張ってもこんなに物語のある写真は撮れなかった。
他人の家族の写真がどうしてこんなに愛しく思えるのか不思議なのですが、まるできょうだいや親戚みたいに身近な人たちを見ている感じです。手放そうと思ってぱらぱらとめくるたびにやっぱり温かい気持ちになるので、ずっと私の本棚にあります。写真につけられたコメントが、またいいのです。
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ほどよい不便がいちばん幸せ 二部治身(初版2003年)
最初に読んだときもそうですが、今見ても暮らしがとても色鮮やかではっとします。
その鮮やかさは花だったり、果物だったり、服だったり、雑貨だったりするのですが、私の身の周りにあるモノたちとは真反対の色合いをしているのに、とても素敵だなぁと思うのです。
何故かというと、それが二部さんの手によって生き生きとしているから。手ぬぐいの姉さん被りも、ブリキで作った蚊取り線香入れも、竹に浮かべた椿も、二部さんの手によって一つの作品みたいになっているのです。
「日々の暮らしに心がはずむような新鮮な気持ちをもちたいのなら、手間暇かけたほどよい不便をあえてやってみることも大切だと思う」そういう二部さんは頭を使い手を使い、自然に感謝しながら暮らしています。丁寧な暮らしとは何か、改めて考えさせられる本です。
ほんの一部ですが、これらは全て今の私に影響を与えた本たちです。
久しぶりにめくると、最初に読んだときの気持ちが蘇ってきますね。だいぶ黄ばんでしまった本もありますが、これからも大切に持ち続けたいと思います。
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