一人暮らしをしていた時、割と頑張って自炊をしていました。今では何を作って食べていたのかよく覚えていないですが、気が向くと多めに作り、隣に独りで住む親戚のおばちゃんや、何度かおしゃべりをした同じ階の女性におすそ分けをしました。住んでいたのは高齢の方ばかりで、「歳をとると面倒で、普段コンビニでおかず買っちゃうから、嬉しいわ」と受け取ってくれ、その数日後には「私も久しぶりに作っちゃった」とお返しのお惣菜をいただいたりしました。いただくお惣菜はどれもとても美味しくて、「さすが長く料理をしてきた人は違うな。私には出せない味だな」としみじみ味わいながら食べました。
そんな風に作ったりもらったりと楽しくやり取りする中で、唯一、作り方を教わり自分の料理のレパートリーに加わったものがあります。それが、こちら。
にぼし炒め(笑)
誰にでも出来ます。超簡単。でも、若い頃の私はにぼし炒めなど作ろうとも思わなくて、というか市販のものでも食べようとも思わなかったので、親戚のおばちゃんから手作りのにぼし炒めをもらって食べた時にはちょっとした衝撃でした。噛めば噛むほど味が出てくるにぼしを、さらに甘辛く炒めたにぼし炒め。にぼしってこんなに美味しいんだ。これがあればご飯がどんどんいける。お弁当のおかずにもぴったりと、早速おばちゃんに作り方を教わったのでした。
用意するのはにぼしと、砂糖と醤油とお酒、白いりごまのみ。
油でにぼしをざっと炒めた後
砂糖と醤油、お酒で味付けをして炒め煮て、最後に白いりごまをたっぷり混ぜる。ポイントはこの白いりごまで、ちょっと多いかな?ってくらいたっぷり使います。
独り暮らしをしていた時は、これを冷蔵庫に常備して、朝にお弁当に夜にと食べていました。
このにぼし炒め、結婚してからも何度か作りましたが、夫も子どももあまり食べないので、いつの間にか常備することもなくなり、最近は遠ざかっていました。ところが先日仕事で女性クリニックの医師の話を聞く機会があり、「よーし!また食べるぞ」と作り始めました。女性の健康がテーマのセミナーだったのですが、その時先生がこんなことをおっしゃっていたのです。
「更年期を過ぎると、気を付けなくてはいけないのは何と言っても骨粗鬆症。骨、本当に大事です!高齢になってからの骨折は、寝たきりの原因になります。以前私は80歳を超えても元気に歩いている女性何人かと話をしたことがあるのですが、どんな食事をしているのか聞いたら、皆さんに共通していたのは、何も特別なことはない、『小魚』でした。」
先生いわく元気なおばあちゃん達は皆共通して昔から小魚をたくさん食べていたとのこと。骨は20歳までに作られ、以降は減るいっぽうだそうです。今から私がどんなに食べても骨が増えることはないかもしれませんが、骨密度が落ちるのを遅らせることは出来るかもしれないし、何といっても子ども達の成長には「骨」を意識することはとても大切です。
ということで、「小魚=にぼし炒め」がすぐに浮かんだ私。単純ですが、これは食べねばとまた作りはじめたのでした。
以来、食事の時の箸休めに、お弁当のおかずにとせっせとにぼし炒めを食べています。
娘のお弁当にも入れるのですが、「あんまり好きじゃないんだよね」と言いながらも、ちゃんと食べて帰ってきます。
「骨活、骨活。骨は20歳までに作られるんだからね。ちゃんと食べてよ!」と言って聞かせていますが、さすがに「そぼろ弁当」の鶏そぼろと卵そぼろの真ん中に煮干し炒めを入れた時には、嫌な顔されました(笑)そりゃそうか。
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