おいしい台所

ほどほど家事で、おいしい暮らしを。きょうも台所にいます。

想う

今年はいつもより早めに植えたトマトとオクラの苗。在宅勤務のおかげで肥料や水やり、トマトについては脇芽摘みもきちんと出来ているので、きっと今年は甘くて美味しいのが出来るんじゃないかなと思っています。




野菜作りが上手で、体が大きくて、いつも優しかった義父が、先日亡くなりました。


数年前に大病をしてから本当に急にあちこちが悪くなり、それ以降は入院や手術を繰り返してずっと病院か施設にいた義父。今年のお正月、家族みんなで施設に会いに行ったのが、義父に会った最後になってしまいました。


私は亡くなった義父の顔を見ても、葬儀を終えても、わんわんと泣いた後も、ずっと義父が亡くなったことが実感として沸いてこなかったのです。

でも先日、お線香をあげに夫の実家に立ち寄った時、ベランダにあった義父のプランターを見たら猛烈に寂しさがこみあげて胸が苦しくなり、そこでやっと義父がもう居ないのだということを、強烈に理解したのでした。


そこにあったのは、義父が元気だった頃にナスやらきゅうりやらを植えていた大きなプランターでした。プランターの土はすっかり乾いて雑草が生え、支柱はベランダにそのまま置かれていました。

屋上でゴーヤをたくさん作って義母に「こんなにあっても困るのよ」とブツブツ言われ、「いーじゃねーか」と笑っていた義父。野菜の世話をする傍ら自分で作ったお昼寝スペースにテレビを持ち込み孫たちとテレビを見て、嬉しそうにビールを飲んでいた義父。そんな豪快でカッコイイ義父が次々と思い出されました。



そうか、もう居ないんだな。


もう、会えないんだ。




沢庵をプロ並みに漬け
出来たらすぐに周りのみんなに配り


らっきょうを箱で買って
たくさん漬けてはお酒のつまみにして


梅酒を作り
魚を捌くのが上手で


毎年孫たちに紛れて
「嫁に」と必ずお年玉をくれた


そんな優しかった義父は、もう居ない。




世の中のザワザワが落ち着くとともに逝ってしまった義父。日常は流れ始めたけれど、気持ちはいつまでもここに止まっていたいように、なんとなく心許ない。

これから先、野菜を育てるたびに、義父のベランダ菜園を思い出すんだろうなと思います。


もっと野菜の作り方、教わっておくんだったな。

小さなトマトを見ながらぼんやり想う、初夏の夕暮れです。




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